「……夜々子先生、神宮、今でもあんなんなんですか?」


「んー、大分穏やかに先生やってるわよ? 学校でああいう風に喋ってるのは初めて見たかな」


「……へー」
 

宮寺先生は興味をそそられたように肯き、「じゃあ、また構ってくださいね」と言って保健室を出た。


「……聞いちゃった?」
 

夜々さんが窓のへりに腕をついて覗き込んできた。


「惚れ直しました」


「……どこに?」
 

私が素直に答えると、夜々さんは笑顔で首を傾げた。


「びっくりしました。神宮先生もあんな風に話すんですね」
 

笑満が言うと、夜々さんは困ったような顔になった。