ここまで答えて、はっと口を噤んだ。


宮寺先生は――遙音先輩と面識があるなら、どこまで知っている? 先輩のことも……。


「そう、なんだ……」
 

少し、宮寺先生の声が沈んだ気がした。どうかしたのかな?


「宮寺先生? お話だったら外行きますか?」


「え? ああ――そうだね。簡単に終わらせるから」
 

私の先導で、校舎の下の植え込み沿いにあるベンチまで来た。


流夜くんにこっそり言われていた。


もしまた宮寺先生が接触してきたら、なるべく校庭――旧館から少しでも見える場所にいてくれ、と。


と、とりあえずここなら流夜くんがいるとこから見えると思うけど……今度は何訊かれるんだろ……。


当たり障りのない話でありますよーに!
 

心の中で手を組んで願っていると、宮寺先生から「華取さんて」と話し出された。


「神宮のこと、教師としてどう思う?」