マナさんが繋げた縁は、偽婚約で止まっている。
在義父さんには付き合うことの了承を得たけど、偽婚約をしたこと自体はどうとも動かしていなかった。
「ああ――そういえばそうだったな」
「そういえばって……」
流夜くんの中では大した問題ではなかったのかな?
「咲桜を嫁さんにすんの、当たり前みたいになってて忘れてた」
「………~~~っ」
あ、当たり前……ですか……。
ときどき爆弾を落とす頓珍漢め。
「でも――ちゃんとしておかないと駄目だよな」
そっと、左手を取られた。
「咲桜が高校を卒業したら、正式に婚約してほしい」



