「そ、れは――」 「世間的な意味じゃなくて、咲桜に、俺が咲桜と一緒にいることをゆるしてほしい」 一緒に、いる。 「……あのね?」 そろりと口を開いた。 「あの、進路調査、そろそろあるでしょ?」 「え? ああ、そうだな」 「うちだとほぼ進学だけど――その、妄想しちゃう希望があって……」 「希望?」 「うん……。その、……およ、めさん……」 「………」 今度は流夜くんがフリーズしてしまった。 腕の中で必死にもがいて、わずかな隙間を作って、固まった流夜くんを見上げた。