朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「流夜くん、私に、いろんなもの、くれるから。気持ち、とか……私、まだそういうの、わからなくて。だから、どうすれば、どうしたら、流夜くんを幸せに出来る?」


「……咲桜、幸せなのか?」
 

ストレートに問われて、恥ずかしさを隠せずに頭を上下させた。


「『流夜くん』と逢ってから、私、ずっと幸せの中」


「………」
 

こてん、と流夜くんの額が私の肩に落ちる。


「? 流夜くん?」


「……うん」
 

……いつもの感じだ。流夜くんは急に無言になったり、端的な返事しかしないときがある。


こういうときは、抱きしめ返すに限る。