朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



流夜くんの手が離れて、私は一人で唇を噛む。


そんなこと、ない。


そう言いたいのに……。


「……俺としては、咲桜が在義さんの娘で掬われている面が大きいんだが」


「………わかってるよ」


「じゃあ、どういう意味だと思う?」
 

流夜くんの声は真っ直ぐで。直視出来なかった。


怒っているときの横顔だって見逃したくない人なのに。


「……どういう、て……」
 

そんなの、知らないよ。知りたくないよ。


「……普通さ、事件なんかに首突っ込んでる奴が教師やってて、生徒に惚れて、付き合うことが出来て、更にそれを親に認めてください、なんて出来ないだろ?」


「………」
 

流夜くんの言葉に、瞳が揺れた。