「……咲桜? どうし
「だって、“父さんの娘”じゃなかったら、宮寺先生は私に話しかけてなんてしてこなかった。流夜くんにも嫌な思いさせなかった」
「咲桜、それは
「でも、一番に、私は“父さんの娘”じゃなかったら、“流夜くん”と出逢えてもなかった……!」
気づいてしまった。
《今ある現実》の、大前提はそれだった。
マナさんの画策だって、『権力的利用価値のある華取在義の娘を護るため』から始まっている。
そして、在義父さんの娘が自分ではなかったら、流夜くんは別の誰かと出逢っていた。
学校で出逢っていても、流夜くんは在義の娘だから不用意に近寄らない、と言う風に認識していたそうだし、それすらもなかったら、私はただの生徒だった。
全部ぜんぶ、流夜くんとの関係は、それがないと始まらない。
「……在義さんの娘じゃない方がよかった?」



