「なんか訊きづらいからわざわざお前を経由しているんだ。遙音が危惧していたんだが、本当に友情だけなのかって」


「………」
 

ああ……そのことか……。


この人ってそういうこと気にするんだ。原因はオトみたいだけど。


「どう、なんだ?」
 

先生は怖々と訊いてくる。


さっきまでは余裕しかなかったその態度に、面白いような悔しいような気持ちになった。


「友情じゃなかったら、あんた咲桜から手ぇ引くんですか?」


「まさか。俺に向けさせるだけだ」
 

その答えに息を詰まらせたのは俺の方だった。


部活の件とか嵌めた側として、居心地悪く前髪を掻く。


「……友情ですよ。周りからどんな風に見えてんのかは、まあ本人たちの自覚は、周囲の評価からはかなり低い位置にあるでしょうけど。……あいつらがあそこまで仲いいの、本当に笑満の命を咲桜が繋ぎ止めたからなんですよ」