朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「まあお前が入りたくなきゃそれでいんだが。特に他意はない」
 

簡単に答えられて、先輩の眉が動いた。


「なんか知んねーけど入るわ。したら堂々一年の教室行けるもんな?」


「来てどうすんですか?」
 

私は疑問符を浮かべる。今までだって堂々と一年の教室に来ていたような気がするけど……。


「決まってんだろ。笑満ちゃんに色目使ったら容赦しねーって布告だよ」


「………」


「なっ」
 

私はなんとなく黙って、笑満が顔を更に真赤にさせるのを見守った。


ここもなかなかに仲がいいようで何より。


「はい、名前書いて。ついでに副部長とかやって」


「お前はマイペース過ぎる」
 

頼にペンを渡されて、文句を言いつつも先輩は流夜くんの机で素早く署名した。


流れで役職押し付けられた。