「お前が顧問引き受けんのはすぐわかんだけど、なんで俺まで入れたいんだ? 俺、別にお前と違って学校では人目とか気にしねーけど」
「!」
笑満の肩がびくりと跳ねた。
先輩の言葉は皆まで聞かなくても伝わるらしい。
そしてそんな笑満の反応を嬉しがっている先輩。
「笑満ちゃんがやなら必要以上にはべたつかないけど?」
笑顔で言われて、笑満の顔が真っ赤になる。
私まで赤面しそうだった。
そ、そういうことをさらっと言うかな……。
流夜くんといい、この派閥は赤面台詞が多すぎる。
けれど、笑満の友達としても言って置かねば。
「遙音先輩。学校で笑満が恥かくような真似したら利根川にぶっこみますよ」
「流域面積広いから勘弁してくれ。捜索が面倒になる」
キリっとした風に言った私に、疲れたように答えたのは流夜くんだった。
流域面積……。



