「遙音くん?」
笑満が扉を開けると、壁に背中をつけて顔を引きつらせている遙音先輩がいた。
「いつからいたの?」
「あー、部長は咲桜にしときますんで、のあたり? 入っていいのかわかんなくて」
「ごめんねっ、すぐ気づかなくてっ」
笑
満が顔を蒼くさせると、先輩は「気にしないで」と軽く笑った。
「オトも入る? 副部長とかやる?」
「なんでいきなり役職ついてんだよ。つーか、何? なんの部活やるわけ?」
入って来た先輩が、頼が手にしている紙をひったくった。
そこには三人の名前と、空白の顧問の欄。
そして、『色彩研究部』と書かれている。
「……色彩けんきゅうぶ?」
先輩の声は胡乱に響く。



