「そうだなー。ここの教師、大体日義を敬遠してるよな」
和やかだった。
根拠のない勝利宣言をされているのに、流夜くんはのほほんとしていた。大物か。
「じゃー先生、引き受けてくれます? つーか引き受けますよね? わざわざ咲桜と接触する理由作ってやったんだから」
……頼、ちょっとイラッとしていたみたいだ。
流夜くんのあまり効いていない反応に。
「構わない。もし不受理になったらまた来い。俺からも意見書作ってやるから」
「それはどうも。んじゃ」
「一ついいか? 遙音はその部にいるのか?」
「―――」
笑満がびくりと肩を跳ねさせた。
流夜くんは二人が付き合い始めたことを知っている。
そういえば頼には言ってなかった……。
「今んとこ俺らだけですけど。オトも入れたいんですか?」
「入れたいというか、いた方がこちらとしては色々都合がいい。もしお前たちが嫌ではなかったら誘ってみてくれないか? そこにいるから」
と、流夜くんは廊下に通じる扉を――私たちが入って来た方を指さした。



