朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「あはは」


『それが神宮――流夜くんのおかげだつったらあたし流夜くんのこと赦せなくなるからね』


「なんで?」


『だって――そもそもあたしだって直に聞いたことないこと流夜くんには話したじゃん咲桜のバカー!』


「う……」
 

泣き出されてしまった。


笑満の言葉が半ばガチなのがわかるので言い返せない……。


「ごめんって」


『謝ってもあたしの心は癒されないよ』
 

ぷーん、とそっぽを向いているのが目に浮かぶようだ。


電話相手だからそんな行動には意味ないけど。