朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「くもいー! 神宮がおかしい! 咲桜にやられてる! あいつはスナイパーかもしんない!」


「咲桜ちゃんがスナイパー? あはは、それいいな。りゅうはとっくに撃たれてるもんなー」


「当り前のように座るな。お前の分のメシはない」


「ってことは遙音の分はあんの?」


「………」
 

まだそこまで話がいっていなかった。


咲桜が作ってくれた分をくれてやるという。


「りゅう、お前遙音にあんま意地悪すんなよ。こいつ、お前のこと一番に慕ってんだから」
 

泡喰って降渡の言葉もまとも聞けていない様子の遙音を横目に言うが、別に意地悪なんてしてない。


「面白がって意地悪いお前よりマシだ」


「真面目に意地悪いお前のが問題」


「………」


「―――」
 

平行線。