朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



さすがに大声を出し過ぎだし、内容が何言ってんだというものだ。


嬉しすぎて頭沸いてんじゃねえのか。


「それ言ったら逆だろ」


「……なにが逆なんだよ」


「松生が元々知っていたのはお前で、その後に咲桜と知り合ったんだろ。だったら、咲桜を王子様とか言うことのルーツも、元は似てるお前になんじゃねえのか?」


「―――」
 

松生が咲桜を何と呼んで好くのもいいんだけど、もし邪魔でもされるほどだったら面倒だ。


ただでさえ現状面倒なのに、これ以上増やさないでほしい。


すぐに解決するつもりだけどさ。


「………」
 

遙音を叩いた手を見遣る。


……課題が一つ増えた。


咲桜が『王子様』になってしまわないように、常に自分の方を向かせておかないと。


咲桜相手だと、そういうことも楽しいのだけど。


「――あ、そっか。それもありか」
 

目からうろこ。みたいに、遙音がぽんと手を叩いた。
 

おい。まさかお前がそこまで考えていなかったのか?