「それにしては浮かない顔だな?」
「あー、うん」
いただきます、と遙音は打ち明けるより先にカップを手にした。
「……笑満ちゃんが、泣いたんだ」
「松生が?」
そりゃ泣くくらいあんだろ。
そう言うと、遙音は軽く首を横に振った。
「なんつーか、――ああごめん時間くれ!」
頭抱えて突っ伏した。時計を確認する。
時間……吹雪のところは、遅れても大丈夫。
遙音に「勝手にしろ」と言って、仕事――私事用のパソコンを開く。
仕事面でも公私の区別はある程度つけておかないと危ないから、仕事用のパソコンは二台用意して使い分けていた。
言っても、家に持ち帰り仕事をすることはないので、家で開くのは私事用の方だけだ。
遙音がローテーブルに突っ伏して唸っているので、放っておいて本棚に資料を取りに行く。
帰ってくると、今度は鞄を抱き込んで唸っている。
まあなんだ……がんばれ。
「……神宮って咲桜に泣かれたことある?」



