「………」
在義さんもなかなか業な生まれだ。
少し――補足情報を調べるために、暇があったら天龍に帰るか。
咲桜を連れて……は、どうだろう。
立場上、すぐには実行出来そうにない。
……だが正直、天龍の郷の知らない顔に好奇心が騒いでいるのも抑えられない。
「………」
そして今は――遙音と松生だ。
アパートに帰ると、思った通り、遙音がいた。
駐車場のガードレールに腰かけて夜空を見上げている。
……腹を決めたのか、腹を括ったのか。
「遙音」
呼ぶと、透明な瞳が流夜を見た。
「あれ。てっきり華取さんとこに泊まってくんのかと思った」
「思ったらお前、ここにいないだろ。中入れ。風邪ひくぞ」
部屋の鍵を開けると、遙音は軽い足取りでやってきた。
「入りまーす」



