「………うん」
「今日は帰るけど、また来るから」
「…………うん」
「あまり在義さんにも心配かけるなよ?」
「うん」
「よし、いい子。じゃあ、また」
「……また」
そろそろ在義さんの眼差しがきつくなってきた。潮時か。
玄関で、在義さんの瞳を盗んでキスをする。
泡喰った咲桜は案の定真赤になる。
額をくっつけておやすみを言うと、小さく咲桜も返して来た。
……また明日。
――咲桜も、これで少しは安心してくれるといい。
たぶん、今自分から話せること、知っていることは総て話した。
あ、自分の趣味は咲桜だって言い聞かせるの忘れた。
次逢ったら百回くらい言わないと。咲桜はなかなか思い込みに軌道修正をかけられない性質のようだから。
……絶対桃子さんと松生が趣味だと誤解されている。そして喜ばれている。
……複雑だ。



