「勿論、嫁ぐ娘を持つ身だからね。……咲桜はたまに、愛される自分を拒絶する。もし君に対してそんな反応があれば、私は君を咲桜の伴侶と認めるのを躊躇しなければならなくなる」
―――――。それは俺も知っている、咲桜の一面だ。
「―――。そこまでは心配なさらないでください」
「―――」
ふと、在義が顔をあげた。その瞳で意味を問うてくる。
「それは、俺と咲桜が解決する問題です」
「……ほんとーに減らず口だね」
「否定はしませんが。……咲桜が在義さんに泣きつくようなときは、そのような心配をしていただければ、と」
「……そんなことあるわけないだろう――」
急に、在義の声が硬くなった。
それまでのからかいの色がなくなる。



