朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「頼もしい婿殿だ。そうだな、現地に行くわけではないけど、しばらくは千歳にかかりっきりになるから、邪魔する余裕もないだろうね。子離れのいい機会だと思うかな。――咲桜が卒業するまで、の約束は守ってくれるか?」


「――はい」


「君は信頼されることと引き換えにこの家での自由を失う。――それでも?」


「咲桜を可愛がるのは俺の本能ですから。自由なんかに制約されません」


「……君は結構減らず口だよねえ」


「在義さんに似ているそうです」


「そういえば――一緒に住むって話はどうするんだ?」


「………」
 

憶えていたか。


いや在義さんが自分の発言を忘れるわけのがないんだが。


「君がまあ夕飯程度にこっちに来るのでも、咲桜が昏い時間に出歩くことがなければいいんだけど、私としては早く安心したいのもあるよ?」


「安心、ですか?」
 

意外な言葉だ。


在義さんは困ったように顔を歪める。