朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「……在義父さんが家に呼び戻されるとかは、なかったの?」


「当時はあったようだね。私も赤ん坊だったから詳しくはわからないけど、ここの両親が追い払ってくれたそうだよ。あとは分家も散り散りになって、華取の家は壊滅したようなものだ」


「「………」」
 

知らなかった。
 

まさか在義さんも、そこまで複雑な生まれをしていたとは。
 

咲桜に伝えた言葉が甦る。


『残酷なんて世界中にあふれてる――』
 

……本当に。


世界って、そんなだ。
 

それでも在義さんは今、微笑みすらたたえて娘を見ている。