「……在義父さんが家に呼び戻されるとかは、なかったの?」 「当時はあったようだね。私も赤ん坊だったから詳しくはわからないけど、ここの両親が追い払ってくれたそうだよ。あとは分家も散り散りになって、華取の家は壊滅したようなものだ」 「「………」」 知らなかった。 まさか在義さんも、そこまで複雑な生まれをしていたとは。 咲桜に伝えた言葉が甦る。 『残酷なんて世界中にあふれてる――』 ……本当に。 世界って、そんなだ。 それでも在義さんは今、微笑みすらたたえて娘を見ている。