「あ、やっぱり来てたんだね。すまない、ノックすればよかったね。下にいるから二人ともお腹すいたら来なさい」
在義さんは安心させるような微笑みを残して扉を閉めた。
もう顔も至近距離だった咲桜とともに、在義さんの次にお互いを見て何度も瞬いた。
「「………――――!」」
ガタガタ! バタンッ! ドダダッ!
騒々しく部屋から駆け出て、階段を下りる途中の背中を見つけた。
「在義父さん!」
「在義さん!」
声が重なる。
「「なんか悪いものでも食べた⁉」んですか⁉」
「は?」
すごい勢いでやってきた俺たちを振り返って、在義さんは間の抜けた顔をした。
「在義さんが邪魔しないって何事ですか!」
「いつもだったら引き裂いて流夜くんいじめるじゃん! 何かあったの⁉ まさか誰かが狙撃された⁉」
混乱の境地だった。
在義さんはまだぽかーんとしている。
あの在義さんが、愛娘にくっついているところを邪魔しないなんて何事だ!
――ただ、とにかく困惑していた。



