朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】



「どういう風に扱っていいのか――私がどう扱うべきか、ちょっとわからなくて。でも遠くへは置けなかったから、ここにあるの」
 

二枚重ねの写真。咲桜と松生の下に、家族三人の写真。


隣り合うように座って、それを見せてくれた。


「これがね、春にここの庭で撮ったやつ。私が三歳のときだって。在義父さんはあんま変わってないね。桃子母さんは――」


「かわいい……」
 

ぽつり、思わずつぶやいた。


咲桜は、え、と顔をあげた。


「だよね! 可愛いよね、桃子母さん! やっぱ流夜くん趣味合うー!」
 

何故か咲桜が歓喜している。


「え、何が?」
 

俺から返ったのは間の抜けた返事だった。


なんだって?
 

咲桜がでれでれに喜んでいる意味がわからない。