咲桜の部屋に入るのは二度目だ。最初は、見合い事件の日。 そのときも中までは入っていなかったから、入る、というのは今日が初だ。 なるべく中を見ないように、視界を床にせばめてみる。 「今日、在義さんは?」 念のため訊いておく。ストッパーは大事だ。 「いつも通りに遅くなるみたい」 それなら大丈夫か。 急に泊りになることもあるけど、今のところ帰ってくる予定ならば自制もかけやすい。 咲桜が小さなローテーブルにつき、手を握られたままだった俺も座る。 小花柄のラグが敷いてあった。