女の子は、秋のバイクを見つめた。


「乗れない?もしかして……っ」


バイクに縁が無さそうだもんな。


「きゃっ」



俺は君を横抱きにした。

ただそれだけなのに、君は顔を赤くする。


男に面識ないそんな感じに、幾分安心する。



「そう言えば、君……名前は?」


緊張する。


なんでか物凄く緊張する。


君の細い指が、俺の背中に触れた。


それだけで、緊張する。