「寝ちゃったね、可愛いね~」


優しく見る親父の目が、嫌だ。


今も鳴り止まない雷の中、君は親父の腕の中で眠る。


「よしっ、寝かせるかな~」


ぎゅっ。


ん?


愛心ちゃんが、俺の服の袖を離さない。


まるで一人になりたくない、と叫んでるみたいに、君は離さない。


だから、そんな君を愛しく思う。


だけどーー睨む悠くんはまだまだ子供だ。


「何、悠くん。

怒らないでよ、愛心ちゃんが、離さないんだからっ」

「分かってるし」

恋は冷静さを失わせる。

現に、イライラが伝わるし。