ゆゆちゃんを一人にしちゃいけないってわかってる筈なのに、悠にも怒鳴ったばっかりなのに……


動けないでいた。


君の泣き顔がこんなにも痛いなんて、思わなかった。


廊下で一人佇んでると、誰かが俺に近づく。

それは見知った靴で、見知ったスーツだった。


「ゆゆちゃんを、誘惑すんなよ‼

ゆゆちゃんは、俺のなんだよ‼」


悲痛な声は、廊下に響いた。