野球と勉学の両立。考えるだけでおぞましい。
これから忙しくなりそうだ。
そして次の日、私は彼方と蒼と共に野球部への入部届けを提出した。
***
中学生になって一ヶ月が経ち、五月になった。平日は朝から夕方まで授業を受け、夜十九時まで野球の練習。土日は朝から夕方まで野球の練習。
そして部活が終わったあと、まだまだやり足りないと、彼方と蒼と三人でバッティングセンターに寄ったり、自宅近くの公園でキャッチボールを三角形でやったりと、言葉通り野球漬けの毎日を過ごしていた。
「俺ら野球しすぎじゃね?」
蒼がボールを投げながら言う。
「確かに」
受け取った彼方が私に投げながら言う。
「でも楽しいからしょうがないじゃん」
そうやって、私が蒼にボールを投げる。
会話しながらするキャッチボールは、部活中の張り詰めた緊張感とはまた違う。
私たちはまるで息をするように何度もボールを捕って、投げる。
「なあ、彼方さあ、昨日女子に呼び出されてたろ?」
「えっ!」
彼方の言葉に驚く。
それでも彼方は表情を変えずに「まあ」と私にボールを投げてくる。
「なんで呼び出されたの⁉︎」
「そんなの、告白に決まってんじゃん」
彼方に聞いてるのに、なんで蒼が答えるのよ。
「そうなの?」
「んー、まあ、そんな感じ……」
「付き合うの?」
私の問いに「まさか」と答えたのはまたもや蒼。私がキッと睨むと蒼がわざとらしく震え上がっていた。



