『打ったーーーー‼︎‼︎』
十回の裏の攻撃。バッターボックスに立つ選手の真剣な顔つきがドアップで液晶に映し出される。それは、初球だった。
力強いスウィングのあと、カキンッ!と気持ちのいい金属音。四番キャッチャーの打球がぐんぐん伸びていく。
アナウンサーの興奮したような声。
私たちも思いがけずに身体を乗り出した。
『入ったーーーー‼︎‼︎』
叫びに似たそれに、私たちもテンションが上がって歓声をあげる。
さよならホームランだ。
あまりにドラマティックな幕切れに、私たちは「すごい!」「すげぇ!」と声を荒げた。
空に向かって高く、嬉しそうにガッツポーズをして走る四番の選手。
チームメイトたちがグラウンド中央に駆け寄っていく。
ホームベースを踏んだ彼を囲むように各々が感情のままに飛んで跳ねて、泣き笑いしていた。
キラキラしている。最高の舞台の、最高の瞬間。
私が初めて彼方のピッチングを見たときと同じ衝撃が身体中を駆け巡っている。
負けたチームの選手たちの泣き顔や、膝から崩れ落ちたエースを支えながら歩くキャッチャーの姿も放映された。
胸をぐっと締めつけられる。
勝負の世界は、甘くない。勝って笑う人がいれば、負けて泣く人もいるのだ。
ここまで白熱した試合だからこそ、より一層気持ちが揺さぶられるだろうし。
感動して、心臓がドキドキしている。
早く野球がしたい。練習がしたい。もっともっと上手くなって、私も──。
「……私も、甲子園に行きたい」
ぽつり、こぼした本音。
「ふたりと甲子園に行って、優勝したい」
そして噛み締めた、本音。



