「本当にイケメンだったんだね。」

 沙羅とのお昼の話題は佐久間さん。
 あれからいつも通りの無愛想で、少しだけキャーキャーはおさまったらしい。

 それでも汚い人が無愛想だと誰も近づかないけれど、イケメンが無愛想だとクールでカッコいいになるから不思議だ。

 結局、みんな遠巻きに熱い視線を送っている。

「私たちには関係ない人だよ。」

「あんなに観察してたくせに。」

 沙羅は笑うけど、もういいんだ。
 珍獣って思ってた時はなんだか楽しかったけれど、今はもう………。