「…綾乃さんでも、甘えられませんか?」
「最初は難しかったよ。そもそもどこからが甘えなのかわからなかったし。」
「最初はってことは今は…?」
「今はね、甘えてるよ、結構。健人は自分の方がって言うけどね、実は全然、そんなことはないの。」
綾乃は笑った。言ってしまうと照れがやってくる。
「健人はね、本当に私に甘いの。なんでもやってくれちゃうし、ご飯作るのも私より上手だしね。」
「そうみたいですね。凛玖くんが言ってました。」
「最初は遠慮してたんだけど、でもそうするとしゅんってするの。健人って犬っぽいなって思ってるんだけど、…あぁ、違ったんだなこういうのって思って。」
「こういうのって、遠慮することが、ですか?」
綾乃は笑顔で頷いた。心なしか頬が熱い。
「それで代わりに、ありがとうとか美味しいとか、そういう言葉を増やしてみたらしっぽが見えるくらい喜んでくれてさ。こういうのが健人にとっての正解なんだなって。健人と付き合う前に年下と付き合ったことがなかったから。」
「…私も、そうなんです。」
「難しいよね。年下だけど、男の人って扱い。あんまり頼りすぎるのもきっと間違ってて、だからといって何でもできるよ、大丈夫だよって言うと寂しそうにする。加減がわかってきたのって、1年以上経ってからだよ。」
「…難しいです。凛玖くんのこと信頼してるし、甘えてるって思うんですけど…。甘え過ぎかなとかも思うし…。」
「悩んだときは、とりあえずくっついちゃえ。」
「え!?」
今度は理真の頬が赤く染まる。
「そしたらね、手を繋いだり、抱きしめてくれたりするよ。それもドキドキするけど、それはどっちも同じだからさ。だから意外と、そういうときの方が私は本当のことが言える。」
綾乃はにかっと笑った。とりあえずくっつく、は照れを隠すための必殺技だ。
「最初は難しかったよ。そもそもどこからが甘えなのかわからなかったし。」
「最初はってことは今は…?」
「今はね、甘えてるよ、結構。健人は自分の方がって言うけどね、実は全然、そんなことはないの。」
綾乃は笑った。言ってしまうと照れがやってくる。
「健人はね、本当に私に甘いの。なんでもやってくれちゃうし、ご飯作るのも私より上手だしね。」
「そうみたいですね。凛玖くんが言ってました。」
「最初は遠慮してたんだけど、でもそうするとしゅんってするの。健人って犬っぽいなって思ってるんだけど、…あぁ、違ったんだなこういうのって思って。」
「こういうのって、遠慮することが、ですか?」
綾乃は笑顔で頷いた。心なしか頬が熱い。
「それで代わりに、ありがとうとか美味しいとか、そういう言葉を増やしてみたらしっぽが見えるくらい喜んでくれてさ。こういうのが健人にとっての正解なんだなって。健人と付き合う前に年下と付き合ったことがなかったから。」
「…私も、そうなんです。」
「難しいよね。年下だけど、男の人って扱い。あんまり頼りすぎるのもきっと間違ってて、だからといって何でもできるよ、大丈夫だよって言うと寂しそうにする。加減がわかってきたのって、1年以上経ってからだよ。」
「…難しいです。凛玖くんのこと信頼してるし、甘えてるって思うんですけど…。甘え過ぎかなとかも思うし…。」
「悩んだときは、とりあえずくっついちゃえ。」
「え!?」
今度は理真の頬が赤く染まる。
「そしたらね、手を繋いだり、抱きしめてくれたりするよ。それもドキドキするけど、それはどっちも同じだからさ。だから意外と、そういうときの方が私は本当のことが言える。」
綾乃はにかっと笑った。とりあえずくっつく、は照れを隠すための必殺技だ。



