そして私は、久しぶりに電話の発信ボタンを押した。


3コール目ぐらいで蒼汰は電話に出た。


「花?」

まだ何も話してないのに私だと分かったということは連絡先は消してなかったんだ。


それだけで喜んでいる私がいる。


そして、声を必死に絞り出した。

「久しぶり。蒼汰。」

「おう。」