なぜか私、クラスのイケメンツートップに告られました!


ドヤって顔して言ってるけど、普通は聞いてからね?
サプライズ的なプレゼント以外は聞いてしかるべしと思ってるんだけどな。

つい、そう考えていたら顔に出ていたらしく悠くんが必死に言葉を紡ぐ。

「咲ちゃん、最近はもうちゃんと聞いてるし咲ちゃんが望まない物は買わなくなったから大丈夫だよね?ね
!?」

私の表情から不穏な空気を感じた悠くんは、ちょっと必死だ。

「そうだね、最近はちゃんとレジに行く前に聞くようになったもんね。これからもそれ、忘れないでね?」

私の笑顔の圧力に悠くんはブンブン首を縦に振ってうなずいていた。

「葉。葉も谷村を見習いなさいね?」

「ハイ……」

お買い物についての教育中に車は目的地に着いたようだ。

ゆっくりと車が止まった。

「坊っちゃま、到着致しました」

声をかけられて、悠くんが返事をする。

「ありがとう、梅本。お疲れ様。梅本も戻る前にひと休みしてから帰ってくれ」

「ありがとうございます」

そんなやり取りの後、みんなで車を降りる。

そして、目の前に建つ別荘にまたも私は度肝を抜かれた。

私の目の前には、少々。
いや、だいぶ大きく豪華になった某小さな子が遊ぶファミリーのお家があった。
赤い屋根のお家である。

さすがに、この感じは予測できておらず。
春子も見て少し驚いていた。

「ねぇ、咲。これあれを思い出さない?」