「それは、咲桜の恋人には一番近いってことか?」


「うん」
 

それには素直に肯いた。


生まれた時からいるのが当たり前だった在義父さんと龍生さん、夜々さん以外で、『一緒にいて安心出来る人』というのは、初めて出逢った。


「友達より?」


「うん」


「……わかった。なら、それでいい」
 

私も、自分で見極めなければならない。


目の前のこの人は、自分にとってどんな人なのか。
 

今までの『ニセモノ』の関係は、もう続かない。


……流夜くんから伝えられた今、私は、ニセモノは続けられない。


「……このくらいはゆるしてくれるか?」
 

そっと、私の前髪を掻き上げ、流夜くんが口づけを落とした。