「駄目だ……さっぱり作戦が思いつかない……」


「うん……私らってこういうの駄目だったね……」
 

笑満と二人して頼の机で項垂れていた。頼は今日も机に突っ伏して寝ている。
 

相談しているのは遙音先輩のことだった。
 

笑満はどうにか接触をはかりたい。それは一晩のうちに決意した。


けど、どうすればいいのかが全くわからなかった。


二人そろって、恋愛経験、全くなかったから。
 

笑満はずっと先輩しかすきになったことがなく、所在もわからなかったために行動のしようもなかった。


私は私で誰かをすきになったことすらなかった。


うなだれるしかない。


「……夜々さんに相談にいく?」
 

先輩の抱えた過去が大きいだけに、クラスの友人には相談しにくい。


養護教諭にして私のお隣さんである夜々さんならば、私の出生も知っているし秘密は護ってくれる。


「そうだねえ……最後の手だよね」


「じゃあ、放課後行こうか?」