今日は、流夜くんは家にはあがらず、そのまま吹雪さんの許へ向かった。


いろいろあって、煙吹いたり爆発しかけた顔をもとに戻す努力をしつつ、「ただいま」と声をかけた。


電気がついているので、在義父さんはもう帰っているようだ。


「おかえりー」
 

在義父さんに迎えられるのは珍しい。


今は、ジャケットは脱いでいるけど、在義父さんは家でも基本スタイルがスーツだった。


いつでも出られるように、らしい。


現場主義な在義父さんだった。


「流夜くんは?」


「吹雪さんのとこに行くって」


「そうかい。少し文句つけようと思ったんだが……」


「………」
 

それを想定して家まで入らなかったのかもしれない。


「遅くなったこと? いつもとあまり変わんない時間だけど……」
 

鞄を椅子に置いて、エプロンをかける。


作っておいたものをあっためなおすだけだけど、習慣だった。