朧咲夜2-貫くは禁忌の桜と月-【完】



「ふゆ、これってどうなのよ」


「無自覚的に自覚してんじゃない?」


「少し遊んでもいいと思うか?」


「僕は止めないよ」
 

――吹雪に何を言われたのか知らんが、降渡勢いよく指を突きつけてきた。


「りゅう、それはな」


「あ、ああ……」
 

真剣な顔の降渡に言われ、俺まで神妙な面持ちで聞き入る。


「それは……思いっきり在義さんの娘バカがうつったな。もう感染してるぜ。レベル4だ」


「! マジかよ……まさかレベル4って……」
 

そこまで強大な感染力を持っているなんて……。
 

片手で頭を抱える俺をよそに、降渡の背後で吹雪が肩を揺すらせている。


……降渡もまだ何か言いたげな顔にも見える気がするけど、それどころじゃない。