また、一緒にいたい。 そう願っていた。 また、抱きしめて朝陽の中にいたい。 柔らかな咲桜のかおりみたいに――― 「……ん」 ぬくい。 なんだろう、あったかさがすぐ傍にある。 その正体が知りたくて、瞼を持ち上げた。 こんな大切なものがあるのか……。 「……さお?」 「……やっと起きましたか」 若干恨みがましい目で見てくるのは、咲桜だった。 何度も願ったから夢が現実まで浸食してきたか。 自分、相当重症だな。