とりあえず笑満に助けを求めてみる。


笑満だったらにまにましながら「お邪魔しました~」とか言って退散しそうな気がして止めた。
 

頼! ……には助けを求めたくない。


在義父さんも夜々さんも見られたら流夜くんがぶっ殺されそうだし……降渡さんと吹雪さんには知られない方がいい気がする。


あとは遙音先輩? ……なんかダメだ。
 

まともに対応してくれそうな人が一人もいなかった。


自分、人間関係見直すべき?
 

誰も失いたくないけど。


「……起きてくださいー」
 

起こさない程度の音量で、起きるよう要求する。
 

無茶だった。
 

一向に起きる気配も放してくれる様子もない。


身じろぐと猶更締め付けられる。


……仕方ない。しばらく流夜くんのすきにさせるか。


相変わらず心臓は騒ぐし、全然落ち着かない。


けれど居心地はいいから。


「……おやすみなさい」
 

なんだか私まで眠ってしまいそうな心地だ。
 

でもそうすると心臓が主張を始める。
 

……結局いつも通り、一人で泡喰っていただけだった。