資料室ではそれこそ薄ら感じただけだが、やはり日義は咲桜に感情があるようだ。


「咲桜……いいヤツなんですよね。俺のことも気味悪がらないし」
 

話し出した日義。俺も腰を据える。


本音としては早く咲桜のところへ行きたかったが、問題は万事解決していない。


「お前、その両極端なテンション、むしろ疲れないか?」
 

ふり幅が大きすぎる。思わず訊いてしまった。


「疲れてますよー。今日は最高のモデルが素顔見せてくれたし、向こう一か月分くらいテンション使っちゃいました。なので明日から小テストとかの点数悪くても気にしないでください」


「問題あり過ぎるだろ、その振り分けは」
 

確かに、すさまじい行動力を示してくれた。


だがテストの点数が悪いのとは別問題だ。


「そんな俺の両極端さに対応してくれたの、咲桜だけなんですよね」