準備をしていると、背後から声がかかった。


「咲桜、ここに来るんですか?」


「……たまにな」
 

お前が怪しい動きをするまでは毎日来ていてくれたのに――と恨み言を言いたくなったが、わざわざ弱みを握らせる気はない。


「ふーん」


「お前、俺には興味ないんだろ? 何しに来たんだよ」
 

卓にカップを置いて尋ねると、日義は軽く頭を下げた。


「先生には興味なくても、咲桜の旦那には興味あるんで」
 

爆弾を落とされた。