「神宮! いいのかよツラさらして――」 「しょうがないだろ。生徒ぶっ飛ばして記憶トバすわけにもいかねーし。お前、俺には興味ねーんだろ?」 完全に素で話す俺に、咲桜は冷や冷やしているようだ。 「……本当に、神宮先生?」 日義は疑わしげな顔をした。顔を見せた方が信じてもらえなかった。 「どうやって偽物になるんだ」 一度も目の前から消えてもねえだろ。 「咲桜。婚約者って本当?」 「日義」 「咲桜に訊いている。本当なのか?」