そう言われても、すでに流夜くんの膝の上にホールドされているので、私はこれ以上近づきようがない。


「こっち向け」
 

促されて顔を向けた。


―――触れてもいい、二日ぶりの、流夜くん。
 

私も感極まってしまい、その肩に額を押し付けた。
 

頼のことは、どうすれば解決するかわからなかった。
 

と言うかそもそも、私に対しての執着も解決していないのに――十年がかりでも解決してないのに。
 

頼に目をつけられてしまえば最後だ。


一生追いかけられる。一生なんてまだ生きてないけど、そんな気がする。
 

だから流夜くんのことは知られたくなかった。