「………」
 

こうも真相を話してもらえないと、あり得ない話でもないような気がしてしまう。
 

いや、と首を横に振る。
 

咲桜を、信ずるのが今の自分の立場だ。
 

恋ごとなんて、誰が教えてくれることもない。


……バカげた助言をすることを好む毒舌警官と不良探偵がいるけど、あいつらの話をまともに聞いていると更に仲をとっちらかされるだけだ。
 

だから。
 

……なにがだからかはわからないが、ひとつ自分の中ではっきりしているのは、なにがあっても咲桜を嫌いになることは出来ないということだけだ。
 

だから、咲桜が話してくれるのを、待とう。
 

もう一度この腕に抱きしめたいから。