呟いて、なんだか淋しさが増した気がする。


咲桜だって、朝までここにいたのは一度きりだ。


夕飯を作ってくれて、在義さんが遅くなる日は一緒に食べて、勉強を見て、吹雪のところへ行く前には華取の家へ送って行った。


一緒にいられた時間はほんの少しだ。その、ほんの少しにどれだけの力をもらっていたか。


「………」
 

まさか、このまま逢えないなんてことにはならない……よな?
 

咲桜が傍にいないことを思えば不安になってしまう。


なんだ、これ。自分女々しいな。
 

大体なんなんだ。


幼馴染にばれたからってなんでここまで仲を乱されなくちゃいけない。
 

……あれ? まさか。
 

昨日の吹雪の声が甦ってきた。


もしかして咲桜って……。
 

日義のことが、すき?