「……嫌われ……」
 

心配、していた。


流夜くんに愛想をつかされてしまうのではないか。


私が自分を信用していないのだと見捨てられてしまうのではないか。


……不安だった。


「このくらいで咲桜を嫌う様な薄い愛情の人に、あたしの大事な咲桜をあげるわけないでしょ? 心配すんなって」
 

ばしっと肩を叩かれて、笑満の言葉は真実のように響く。


そうだといいな……違う、そうなんだと、流夜くんを信じたい。


「ありがと」


「うん。……とりあえず、今日はあたしと行動一緒ね。一人になっちゃダメだよ。クラスの瞳も、今は気を付けた方がいい」
 

笑満は真剣に言葉する。


……哀しいことに、笑満は用心深い性格にならざるを得なかった過去がある。


それが遙音先輩に起因するとは最近知ったばかりなんだけど。


「……ありがと。笑満大すき」


「任せなさい」
 

親友は、不安を吹き飛ばすように強い笑顔を見せてくれた。