「……流夜くんに話しちゃえば?」
 

笑満は人目がある場所では、『流夜くん』と呼ぶ。


私と二人だけのときは『神宮先生』と言うから、笑満の配慮はひしひしと感じる。


「話したいんだけど……なんか、頼が今度は流夜くんに目ぇつけたみたいな感じで……」


「え。……それって、頼的な意味で?」
 

うん、と肯いた。


『頼的な意味』で目をつけられている、と感じる言い回しをされているから。


「はー。あいつもとことん面倒だね。せっかく付き合えたばっかなのに」


「申し訳ない……」


「あたしに謝ることないよ。あたしはなんの被害もないんだから。……流夜くん、心配してるでしょ?」


「うん……。昨日、龍生さんのお店で話したんだけど……やっぱり、言えなくて……。本当どうしよう」
 

もう頭を抱えるしかない。けれど、解決しなければいけない。