「当たり前だろ。壁とか樹とかコンクリート塀とか。ストレス発散にはなるけど、怪我するだけだ。適度でやめておけよ」


「……さすがだな、神宮。でもコンクリート塀って」


「それ殴ったのは吹雪。あいつは怪我するどころか破壊してた」


「………春芽こえーな」
 

てかそれって器物破損だろ。
 

的確な指摘だ。


「……友情、なのかなー」
 

天井を見上げて、遙音は呟いた。


「……わかんね」
 

わからないのは、友情だけに収まりきらないからではないのか。


言おうかとも思ったが、遙音は、答えは自分で突き進んでいくタイプだ。


下手に周りが手を貸すと、遙音が進んでいる道に寄り道逸れた道を作ることになると、今までのことから知っている。