「笑満ちゃんに訊いた。咲桜がいないから遊びませんかーって誘われて、俺は数年ぶりに幸せな時間を過ごしたのでした」 「……でした、で終わらせていいのか? それ」 浮かれるほど楽しかったのだろう? 頬杖をついて壁際の遙音を見遣る。 「……神宮はいいよな」 「だからなんだよ」 同じことを繰り返されて、若干イラッとした。 「……咲桜、親父さん華取本部長じゃん」 「………」 松生の家族のことか。合点がいった。