「……笑満も線引きしっかりしてるね」


「まあねー。人間不信なんてやれば、このくらいにはなるよ」


「………」
 

人間不信。今は明るい笑満だけど、友人関係を築くのは苦手だった。


だからこそ、小学校時代にあまりクラスメイトに近くなかった私の友達になったとも言える。
 

理由は、笑満の口から聞いたことはない。


いつか話すね、そうとだけ過去に約束されて。


「……ね、咲桜。今度あたしとデートしようよ。また流夜くんとデートするんでしょ? 服選んであげるよ」


「うん。いい?」


「いいよー。……そんでさ、ちょっと、あたしの過去バナシ聞いてよ」
 

どこか苦しさの見える笑顔だった。私は大きく肯く。


「もちろん」
 

笑満の時間は急激に動き出したように感じる。きっかけは先輩で。
 

流夜くんが私の一生の人なら、笑満は一生の親友だ。
 

――たとえ進むべき道が別たれても、ずっと離れることはないと思うんだ。